酒造好適米を知る~地域別の主な酒米と特徴~

酒造りの原料は、「米・水・麹」。

とりわけ、米がなくては日本酒足りえません。

酒造りに使用される米は、通常の食用米とは異なります。

酒米は、「酒造好適米」と呼ばれるように、徹底して、酒造りに適した特徴を併せ持ちます。

その適性を、地域に合わせて、さらに特化させようと、さまざまな品種が誕生しています。

 

地域ごとの酒米

酒と米日本酒の世界にも、テロワールという言葉が浸透しつつある、今日このごろ。

フランス語の「Terroir」から来た言葉で、ワインの原料となるブドウが育つ環境のことを示します。

また、原料の独自性や個性も表します。

日本酒においては、米ですね。

地域産の酒米にこだわる酒造りや、特定の品種の酒米のみで酒を醸す蔵元などが増えているのです。

地域別に開発された酒米を、有名品種から新顔まで、チェックしてみましょう。

 

中国・四国・九州地方の酒米

雄町(おまち)

1859年に岡山県で誕生したと言われる雄町。
山田錦のルーツともなった、歴史ある品種です。
野生種に近いため、収穫量が少なく、害虫にも弱い酒米。
丈も1.7mと高いため、倒伏しやすいというデメリットもあります。
しかし、ふくよかな旨味と深いコクを持つ酒が仕込めます。
昭和中期に、山田錦に淘汰されかけるも、味わいの深さから再度復活。
近年ブームにもなりました。
現在でも岡山県での栽培率が高く、赤盤市赤坂町で栽培されたものが有名です。

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八反錦(はったんにしき)

広島県産の八反錦。
1973年に「八反草」という品種をルーツに作られた酒米です。
耐冷性に優れた「1号」と、標高400m付近の栽培に適した「2号」という姉妹品種があります。
胴割れがしやすく、醸すのが難しい、蔵元泣かせな酒米。
その分、香りが高く、淡麗な味わいの酒になります。

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強力(ごうりき)

大正時代に鳥取県で誕生した品種。
戦後に栽培が途絶えるも、平成元年に復活しました。
名が表す通り、他の酒米よりも固く、解けにくいという特徴があります。
しかし、熟成させると深いコクと旨味の一本が仕上がります。

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中国・四国・九州地方の酒米は、八反、神力、土佐錦などが挙げられます。
新しいものでは温暖な熊本県初のオリジナル酒米「華錦」に注目です。

 

東北地方の酒米

亀の尾(かめのお)

山形県で、明治26年に育成された品種。
規格としては一般米で、ササニシキやコシヒカリといった飯米にも、五百万石といった酒米にも交配元となっています。
耐病性に弱いことから栽培が途絶え、「幻の米」とも呼ばれていました。
奥行きのある酒が醸せると評判です。

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出羽燦々(でわさんさん)

1995年に開発された山形県オリジナルの酒米。
山形の地域性を出した吟醸酒を醸すために生まれた品種と言われています。
そのため、同じ県内で生まれた「山形酵母」との相性がバツグン。
端麗な酒質になりやすいという特徴を持ちます。

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その他、東北地方の品種としては、豊盃、吟ぎんが、夢の香などが有名。
新品種の開発が盛んな山形県では、平成29年に登録された、大吟醸向けの酒米「雪女神」があります。

 

関東甲信越地方

五百万石(ごひゃくまんごく)

新潟生まれの五百万石は、山田錦と並ぶ、酒米のツートップ。
1957年に誕生し、現在では日本一の作付け面積を誇るほど、全国で幅広く栽培されています。
早生の酒米としても有名。
鳥による食害を受けやすい品種ですが、淡麗できれいな辛口の酒に仕上がります。
「淡麗辛口」が特徴の新潟の酒に、なくてはならない米です。

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美山錦(みやまにしき)

1978年に長野県で作られた品種。
山田錦と五百万石に次いで、生産量が高い酒米です。
代表的な酒米の中では、新顔の部類に入ります。
寒冷地での栽培に適したタイプで、雪のような心白が特徴。
お酒にすると、スッキリとバランスの良い味わいが楽しめます。

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関東甲信越地方の他の酒米といえば、渡船、越淡麗、誉富士、金紋錦なども有名。
新顔では、栃木県が初めて開発した酒米「夢ささら」があります。
平成31年に、県内の蔵元が醸した日本酒が誕生する予定とのこと。

 

北海道の酒米

吟風(ぎんぷう)

北海道岩見沢市で開発され、2000年に品種登録された酒米。
心白が大きく、まるく柔らかな酒が期待できる品種です。
北海道産の米を原料にした日本酒の知名度を挙げた、立役者と言われています。

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寒冷地という条件をクリアするため、北海道産の品種は、どれも新しいことが特徴。
その他の品種としては、初雫、彗星などが開発されました。
最も新しいのは、平成26年に誕生した「きたしずく」です。

 

関西地方の酒米

山田錦(やまだにしき)

関西を代表する酒米といえば、「山田錦」。
「酒米の王様」という異名はダテではなく、全国新酒鑑評会の出品酒の8割が山田錦を原料とした年があるほど、圧倒的な支持を得ています。
1923年に、兵庫県の農事試験場で作られて以来、80年以上も愛されてきた酒米です。
栽培が難しく倒伏しやすい反面、心白の割合が高く高精白にも耐える米として、優秀さを発揮します。
現在は全国でも栽培されるようになりましたが、未だに兵庫県の特A地区で栽培されたものが最高品質とされています。

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関西を代表する他の酒米を挙げると、愛山、山田穂、新山田穂、改良山田錦、灘錦などが名前を連ねます。
また、2018年には、兵庫県が10年ぶりに開発した「Hyogo Sake 85」が話題となりました。

 

酒造好適米を知る~地域別の主な酒米と特徴~ まとめ

個性豊かな酒米に、新品種が加入し続ける現在。

これから地域性豊かな酒が、次々と世に出てくることでしょう。

楽しみですね。

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Kitagawa

最後までブログを読んでいただきありがとうございます。
これからも日本酒についての記事を書いていきますのでブログシェアお願いいたします。

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