創業約180年を誇る豊国酒造の酒は、地産にこだわり、造り続けられる「地酒」。
阿武隈山系から流れる清水と、地元農家が手塩にかけた米で最高の地酒は生み出されます。
長い間、ほぼ地元で独占されていたため、幻のような酒でした。
近年は、伝統の継承に「モダン」というコンセプトが加わり、新たな味が追求されています。
豊国酒造合資会社
創業は、天保年間(1830~1844)という豊国酒造合資会社は、阿武隈山系の緑と水に恵まれた、山間の古殿町に佇む酒蔵です。
古殿町は、石川~いわきを結ぶ「御斉所街道」が残る地域。
幕末の思想家として有名な吉田松蔭も、ここを旅して地酒の味わい深さに感銘したと伝えられています。
地酒の名産地として名高い地域で、代々、江戸時代と変わらない手法で造り続けること約180年。
豊国の杜氏と蔵人が妥協を許さず、美味い酒にこだわってきたことは、全国新酒鑑評会で8年連続金賞という経歴が物語っています。
こだわりの姿勢は普通酒の醸造でも同様で、すべての酒の基盤として仕込まれています。
季節限定で販売される焼酎なども、昔ながらの製法です。
また、伝統の手法を大切にする一方、新たな酒の開発にも余念がありません。
2011年には、9代目の若き蔵元・矢内賢征さんが豊国酒造の新たな銘酒「一歩己(いぶき)」を造りあげることに成功しています。
「一歩ずつ確実に、己に慢心することなく」と願って名付けられた、豊国酒造のホープと言える人気の一本です。
豊国酒造合資会社
福島県石川郡古殿町竹貫114
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おすすめの日本酒
豊国酒造のおすすめの一本は「大吟醸げん」。
杜氏歴35年、名人と謳われる南部杜氏・簗田博明さんが技術の粋を込めて生みだした銘酒です。
コクっと一口いただいてみると、果実を連想させる爽やかな香りが広がります。
後に続くのは、上品な甘味。
酒名どおり、幻のような美味しさです。
日本酒Data
銘柄: 大吟醸げん
特定名称: 大吟醸酒
使用米: 山田錦
精米歩合: 40パーセント
日本酒度: +4
酸度: 1.3
アルコール度数: 15~16度
香り 弱・・・★・強
コク 薄・・・★・濃
キレ 弱・・・★・強
味わい 甘口・・★・・辛口
美味しい飲み方
美味しくいただくには、冷やして飲むのが最適。
爽やかな香りと上品な甘味が、いっそう美味しく感じられます。
合わせてみたい料理は、素材の味わいを引き立てる甘塩風味のもの。
季節の野菜や魚の天ぷらに、パラリと塩をふって一緒にいただくと、お互いの旨さがふくらみます。
その他おすすめの酒
9代目蔵元が生みだした豊国酒造の新ブランド「一歩己 純米原酒」もおすすめの銘酒。
日本酒度+1、酸度1.6、アルコール度数16度と辛味を抑えつつも、甘味旨味を内包した、しっかりとした味わいの一本。
香りも華やかで、冷でも燗でも、すっと飲める酒です。
東豊国【あづまとよくに】~ベテラン杜氏と若き蔵元が手造りする極上酒~ まとめ
約180年間、伝統の手法を継承してきた豊国酒造。
ベテラン杜氏が伝統の銘酒を醸す一方、若き蔵元が伝統を継承しつつ、「モダン」のコンセプトで新たな銘酒を生み出す蔵元です。