磯自慢酒造

日本酒の消費量が低迷したバブル期。

磯自慢酒造が、生き残りを賭けて挑んだのは、高品質の酒造りでした。

銘酒「磯自慢」を醸すために、伝統の技を継ぐことはもちろん、新たな技術の導入や投資にも惜しむことがありません。

磯自慢酒造株式会社

天保元年(1830)年に創業を開始した、磯自慢酒造は、静岡県焼津市に蔵を構えています。

バブル期に、経営方針を高品質の酒造りへと切り替え、現代でも名高い銘酒として「磯自慢」を伝えてきました。

伝統的な酒造りを守りつつ、新たな技術の追求に余念がない蔵元は、原料から設備までこだわりを見せています。

仕込み水は、南アルプスの白峰三山や間ノ岳から流れる軟水を使用、高い水質を誇ります。

酒米は、兵庫県特A地区産の山田錦など、厳選されたものです。

設備の面では、ステンレス張りの冷蔵仕込み室や、貴重な酒造機器も導入して品質の向上を目指しています。

酒造りの工程で最も重視されているのは、洗米

余分なぬめりを洗い、秒単位で限定吸水させる徹底ぶりです。

そうすることで、蒸し上がりの米の香りが高まり、酒米本来の味を酒に閉じ込めやすくなります。

自社保存酵母などを使った手作りの麹や、その後の仕込み作業の良し悪しも、すべて徹底した洗米作業があってのことです。

日本酒造りを極める努力を欠かさず、仕上げた酒は、高い評価を受けるものになりました。

2008年の洞爺湖サミットや2016年のG7シェルパの乾杯酒として選ばれ、IWC2014のSAKE部門においても最高賞を受賞しています。

高品質を追及した磯自慢の酒は、バブル期を乗り越えるだけでなく、いまや海外でも知られる一本となっています。

磯自慢酒造株式会社
静岡県焼津市鰯ケ島307

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おすすめの日本酒

磯自慢 純米吟醸 山田錦 1800ml

磯自慢を代表する一本は、「磯自慢 純米吟醸」

30年ほど前に誕生したものです。

マイナス85℃で保存した、自社保存酵母を使用しています。

酵母造りに必要とした時間は、65~70時間あまり。

手間をかけて仕込まれています。

マスクメロンを連想させる芳醇な香りと、きれいで丸みのある味わいが特徴的です。

喉ごしも良く、心地よい余韻が後に残ります。

銘柄: 磯自慢 純米吟醸
特定名称: 純米吟醸酒
使用米: 山田錦
精米歩合: 麹米・酒母米・50%、掛米55%
日本酒度: +4.0
酸度: 1.2
アルコール度数: 15.9度

香り  弱・・・★・強
コク  薄・・★・・濃
キレ  弱・・・★・強
味わい 甘口・・★・・辛口

美味しい飲み方

生しらすと桜えびの海鮮丼適度に冷やして、低い温度帯でいただくと、きれいな味わいが際立ちます。

「磯自慢」ならではの美味しさを体感しましょう。

地元の焼津港で水揚げされる、海の幸で飲みたい一本。

釜揚げしらすに、桜えび、まぐろ尽くしなど、料理を決めるだけでも一苦労しそうな豊富さです。

どれを選んでも、「磯自慢」が美味しいことには変わりはありません。

フルーツとの相性も良かったのは盲点でした。

その他おすすめの酒

「磯自慢 大吟醸 一滴入魂(大吟醸酒)」は、磯自慢シリーズの中でも人気の高い銘柄です。

パッションフルーツのような甘酸っぱい香りと、上品な旨味が軽やかに舌の上で踊ります。

「磯自慢」を知りたい方におすすめです。

蔵元最高級

「中取り 純米大吟醸 35Adagio(純米大吟醸酒)」は、「中取り 純米大吟醸35」を少量取り分け、熟成させて出来上がります。

最高品質の状態に達したものしか蔵出しされないため、「Adagio」を冠する酒が出ない場合も。

まろやかさと深みに磨きがかかった一本。

磯自慢【いそじまん】~妥協なき品質の追及が生んだ極上酒~ まとめ

妥協することなく高品質の酒を醸し続けた磯自慢酒造は、現在では静岡県焼津市に残る唯一の酒蔵となりました。

世界にも認められた極上の酒への追求は、今日も続きます。

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