「三千盛」を一言で表現するなら「辛口」。
岐阜を代表する辛口一筋の蔵元、株式会社三千盛が醸す酒です。
厳選された酒造好適米と、笠原川の伏流水を仕込み水で醸された「三千盛」ブランドは、辛口ながらも水のように飲める「水口の酒」とも呼ばれます。
株式会社三千盛
創業は、安永年間(18世紀)まで遡る「三千盛」の蔵。
尾張地方出身の、初代・水野鉄治が、江戸時代後期に蔵を構えました。
創業当時は、初代蔵元の出身地に因んだ「尾張屋」の屋号で、酒を醸していました。
大正4年に「尾張屋合資会社」として設立。
組織改革とともに、現在の社名である「株式会社三千盛」と改称したのは、平成4年になってからのことです。
創業当時から辛口を主体とした酒造りを行い、甘口全盛期の時代においても、妥協することはありませんでした。
全国の辛口通のファンに支持され、今では辛口の酒の代名詞とも言える蔵として知られています。
食中酒として料理を引き立てることに主眼を置き、味と香りのバランスを整えた酒を醸しています。
甘味と香りは、食材の味を打ち消さないよう、あえて控えています。
余分な雑味を排除することで、米本来の味を生かすのが、三千盛の酒造りです。
「三千盛」の銘は、ラベルの専門業者から提案されたもの。
もともとは「まる尾」という銘柄でしたが、明治末期に「黄金」と改称したところ、全国に同じ銘柄が軒を連ねていました。
独自性のある銘柄で、商標登録しやすいものとして採用されたと言われています。
三千盛の新酒を楽しみたい方は、毎年、春と秋に開催される感謝祭に訪れてみてください。
酒蔵見学やきき酒など、さまざまなイベントがめじろ押しです。
株式会社三千盛
岐阜県多治見市笠原町2919
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三千盛 酒蔵感謝祭
毎年恒例の三千盛の酒蔵感謝祭は、春(3月)と秋(11月)の年に2回の開催です。
桜と紅葉の季節に、できたての新酒を求める旅に出てみましょう。
催し内容(2017年の場合)
製造蔵ツアー
蔵人の案内で、三千盛の製造工程を見学することができます。
当日、先着順に受け付けています。
事前予約はありません。
定員: 各回20名(計100名)
時間: ①11:30~ ②12:10~ ③12:50~ ④13:30~ ⑤14:10
出品酒
純米大吟しぼりたて(2017新酒)、純米大吟にごり、悠醸、小仕込純米、純米、超特原酒、超特、朋醸、まる尾、手作り甘酒など
※試飲はチケット制となっています。
チケットは入場料を支払うと11枚セットがもらえます。
追加チケットも500円で販売されていますが、枚数限定です。
フードコーナー
こちらでは、打ち立ての蕎麦や、ローカルフードの屋台、手作り惣菜のぬくた屋、いぶし工房の手作りチーズ、ゆめくらぶ農園の豚汁などに舌鼓を打ちましょう。
感謝祭日時: 毎年3月および11月頃・午前10:00~午後3:00
入場料金: ¥500(試飲チケット11枚+酒猪口付き)
予約: 入場・試飲などの事前予約は不要。当日直接向かうのみ。
感謝祭の開催情報は、公式HPの「最新情報」にてご確認ください。
おすすめの日本酒
「三千盛 小仕込純米」は、ロンドン酒チャレンジで金賞を受賞した一本。
ラベルには純米と表記されていますが、実際は純米大吟醸酒です。
小仕込みで実現した極上のキレは、「からくち三千盛」の真骨頂と言えるでしょう。
微かに感じるのはエレガントな吟醸香、味わいは辛口で芳醇です。
軽やかに飲み進めて、キレのある後味に浸りましょう。
日本酒Data
銘柄: 三千盛 小仕込純米
特定名称: 純米大吟醸酒
使用米: 山田錦
精米歩合: 40パーセント
日本酒度: +16.0
酸度: 1.4
アルコール度数: 15.3度
香り 弱・・★・・強
コク 薄・・★・・濃
キレ 弱・・・・★強
味わい 甘口・・・・★辛口
美味しい飲み方
冷やで飲むと、米本来の旨味が楽しめる逸品です。
少し温度を下げると、シャッキリ冴えた印象の味わいになります。
食中酒としても美味しい酒なので、和食でも洋食でも相性は抜群です。
特に魚介類の旨味が増すので、合わせてみてください。
オリーブオイルをたっぷり使った、エビのアヒージョなどは、いかがでしょうか。
その他おすすめの酒
料理を引き立てる酒を求める方は、「三千盛 純米(純米大吟醸酒)」にもチャレンジしてみてください。
旨味と酸味のバランスが良いため、食材の旨味も何倍にもなります。
シャープでさらりとした味わいは冷やで、柔らかく膨らみのある味わいは燗で楽しめます。
三千盛【みちさかり】~辛口の酒の代名詞的存在~ まとめ
切っても切れない関係にある「辛口」と「三千盛」。
すっきりとした飲みくちの一本は、辛口には一家言ある男性ファンだけでなく、女性にも人気です。