新潟県の酒と言えば淡麗辛口なことで有名です。
中でも、1980年代に地酒ブームを牽引した「久保田」は、特にすっきりとした味に定評があります。
朝日酒造株式会社が誇る、冷やでも燗でもグイグイいける、究極の淡麗辛口の一本です。
朝日酒造株式会社
久保田を醸す蔵元は、天保元年(1830)に、現在も蔵を構える新潟県長岡市で、久保田屋の屋号で創業を開始しました。
朝日酒造株式会社と名のるようになったのは、1920年になってからのことです。
1985年に高品質の酒を追求して生まれた、代表銘柄の「久保田」は、地酒ブームを巻き起こす酒となりました。
歴史ある創業当時の屋号を託された、この酒には、当時の蔵元の酒造りへの心意気が込められています。
また、「酒造りは米作り」という理念のもと、高品質の酒を醸すために、良質な米の研究や栽培にこだわる蔵としても有名です。
1990年には、農業生産法人・有限会社あさひ農研を立ち上げるほど、米作りに関して妥協がありません。
さらに、良い酒造りのためには環境の保全も必須という考えから、積極的に自然保護活動に取り組んでいます。
ホタルの生育地域を保護する活動や、もみじの植樹、水辺の環境保全などは、その一環です。
良質の土や水がなければ、良質の酒は醸せないためです。
そうして出来上がった朝日酒造の酒は、すっきりとした淡麗辛口。
どんな季節にも、どんな料理にも似合う一本となっています。
朝日酒造を訪れるなら、蔵の見学だけでなく、社屋のエントランスホールで開催されるコンサート、国登録有形文化財の松籟閣などの見どころポイントもお見逃しなく。
朝日酒造株式会社
新潟県長岡市朝日880-1
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酒蔵見学
朝日酒造は、見学コースが充実している蔵元でもあります。
短時間集中で酒造りの紹介を希望する方は「20分コース」、製造現場までじっくり見学したい方は「60分コース」を利用してみましょう。
▼20分見学コース
映像などを見ながら、朝日酒造の取り組みや酒造りについて、ざっくり楽しめるコースです。
見学料金: 無料
実施期間: 通年
定休日: 年末年始・エントランスホールイベント開催時など
案内時間: ①11時 ②11時30分 ③12時 ④13時 ⑤13時30分 ⑥14時
人数: 1名~40名(10名以上は要予約・10名以下は朝日酒造物販店で当日受付)
▼60分製造工程見学コース
20分コースの内容に加えて、日本酒の製造現場の見学もできるコースです。
見学料金: 無料
実施期間: 10月~4月下旬
定休日: 年末年始・エントランスホールイベント開催時など
案内時間: ①10:30 ②13:30
人数: 2名~15名(要予約・ネットあるいは電話で)
ネット予約の場合はこちらの公式HPで
電話予約の場合は、こちらの電話番号で
0258-92-3181・(平日9:00~17:00)
食品工場のため、見学時には以下の点に注意しましょう。
- ピアスやネックレスなどのアクセサリー類の使用
- 指定場所以外での喫煙
- 見学対象者は、小学校高学年以上から
- 階段を利用するため、足腰の弱い方は申し込めない場合があります
物販店・飲食店
蔵の敷地内には、物販店「酒楽(さら)の里あさひ山」や、飲食店「あさひ山 蛍庵」などの施設があります。
物販店では、日本酒の試飲もできます。
おすすめの日本酒
久保田ブランドの定番「久保田 千寿」は、淡麗辛口で料理を楽しみたい方に、特におすすめです。
「食事を楽しむ吟醸酒」の謳い文句通りの印象なので、期待してください。
穏やかな香りに加えて、口当たりも喉ごしも良いので、クイクイ酒が進みます。
飲み過ぎ注意の一本です。
日本酒Data
銘柄: 久保田 千寿
特定名称: 吟醸酒
使用米: 五百万石
精米歩合: 55パーセント
日本酒度: +5.0
酸度: ―
アルコール度数: 15度
香り 弱・・★・・強
コク 薄・・★・・濃
キレ 弱・・・★・強
味わい 甘口・・・★・辛口
美味しい飲み方
「久保田 千寿」は、冷やでも燗でも柔らかな口当たりが楽しめる吟醸酒なので、お好みで温度帯を選んでみましょう。
料理も和洋問わず、幅広い味付けで合わせられます。
おすすめしてみたい食材は、長岡市の伝統野菜「かぐら南蛮」。
ピリッと辛い唐辛子の一種で、味噌焼きにすると絶品です。
料理と酒を、ちびりちびりと堪能してください。
その他おすすめの酒
ワンランク上の久保田を楽しみたいと感じたら、「久保田 萬寿(純米大吟醸酒)」に手を伸ばしてみましょう。
こちらも柔らかな口当たりですが、旨味のバランスがさらに良いのが特徴です。
純米大吟醸の風格で、後味もすっきりと締めてくれます。
蔵元最高級
朝日酒造の贅沢な一本と言えば、「洗心」。
契約栽培米である、たかね錦を28%まで磨きぬいて仕込んでいます。
「久保田 萬寿」を上回る「白寿」の銘が与えられる予定だったとのウワサも。
淡麗かつなめらかな味わいが最高です。
久保田【くぼた】~冷やでも燗でもいける淡麗辛口の酒~ まとめ
里作り、水作り、米作り、良質の酒を醸すには、これらすべてと整える必要があります。
「久保田」は、そんなこだわりを持つ朝日酒造が、信念を込めて仕込んだ酒です。