和と信頼関係を大切にし、品質にこだわった酒造りを行う秋田酒類製造株式会社。
高清水は米と水だけで造られた、素材の良さを生かすことに心を尽くした杜氏の、技の全てが生きるお酒です。
秋田酒類製造株式会社
秋田酒類製造株式会社は、昭和19(1944)年に先代の野口周治郎氏が創業しました。
江戸から昭和にかけて酒造りをしていた24の酒造家が集まって、企業合同をして発足したのが始まりです。
その後、24あった酒造業者は12業者となり、現在に至ります。
「品質第一」に徹し、満足していただける製品を造るべく、日々挑戦し続ける秋田酒類製造。
関わる全ての人との和と信頼関係を大切にしながら、社会貢献するとともに発展してきました。
蔵のある川尻地区は、水質に優れ、江戸時代に大名がお茶会用に汲んでいた井戸水と同じ水脈といわれています。
本社蔵 【杜氏:菊池 格】
本社蔵は、秋田市川尻という良質な水に恵まれた土地に建っており、この場所は高清水創業の地でもあります。
川尻の水は硬度35.7の極軟水であり、酒の仕込みにふさわしい名水です。
藩政時代には、藩主佐竹候がお茶会のために水を汲んだという逸話も残っているほど。
本社蔵の敷地には、千秋蔵、仙人蔵、第一工場の3つの蔵と、貯蔵庫、壜詰め工場、製品倉庫など、仕込みから出荷にわたる一連の工程を擁しています。
1978年(昭和53年)に完成した「千秋蔵」は、地上6階建ての近代的な鉄筋コンクリート造りながら、伝統の手仕事を存分に発揮できるように配慮した設計がなされています。
また、醸造のために運び込んだ白米は、最上階に運ばれ、工程毎に下層階へ送るという効率のよい設計になっています。
本社蔵では、第四代目杜氏である皆川昇氏が受け継いだ、伝統の秋田流寒造りの技で酒造りに取り組んでいます。
「誰にでも愛される酒を醸したい」をモットーに、気さくで親しみやすい酒の旨さを追求しています。
蔵人が心身ともに一丸となって、昔ながらのやり方を頑なに守り抜くことで、呑む人の心に響く温もりのある酒を醸しています。
本社蔵で生まれる酒は「高清水上撰」や「高清水精撰」等の本醸造酒や普通酒が中心です。
御所野蔵【杜氏:加藤 均】
1998年に新設された御所野蔵は、麹蓋を用いた麹づくりなど伝統的な手造りの技術を継承しながらも、最新の温度管理装置を導入し、一人でいくつもの工程を行っています。
酒造りの作業分担や職人制度の壁を越え、少数精鋭の若手社員による酒造りを実践しています。
小規模仕込みにより、徹底した品質管理を可能とし、多様化するお客様の嗜好に応えています。
お酒造りの要である麹造りは、長年の経験を積んだ熟練杜氏の技と24時間体制の温度管理技術を融合させました。
酒母造りは、先進のコンピュータ制御により、複雑で手間ひまのかかる酵母の最適な育成環境を衛生的に行っています。
醪造りは、屋外の気温や湿度に左右されることなく、多種多様な醗酵を再現することが可能です。
蔵は真夏でも15℃以下に保たれ、氷温冷蔵が可能な貯蔵タンクの完備により、安全かつ快適に熟成管理が行われています。
醸造環境を高レベルに整備した、小さな仕込みの酒造りが得意で、「稲波」や「しみずの舞」などの特定名称酒を中心に造っています。
次代の酒はここから生まれます。
酒造道場 仙人蔵
全てを手作業で行うことで、酒造りの基本と精神を学び、伝統の技を継承する仙人蔵。
その蔵は、1953(昭和28)年に建設され、精米所として使われていました。
1958(昭和33)年頃より吟醸蔵として使用されるようになりました。
その後吟醸蔵が本社一号蔵へ移設されたことで、この蔵では高清水初の純米酒の仕込みを行うように。
仕込みは2tの開放タンクを用いて、現在は販売終了した吟撰などの高級酒の仕込みを行っていました。
そして2005年春、高清水中仙蔵(大仙市中仙町長野)が、最後の仕込みを終えました。
縁があって初桜酒造店からの営業権譲渡をうけ、平成3年から14年間、吟醸酒や純米酒といった高級酒の製造はもとより「特撰」などの仕込みも担ってきました。
中仙蔵の位置する仙北平野は、県内有数の米どころであり、豪雪地帯でもあります。
雪にたたずむ酒蔵の風情とぬくもり、寒の厳しい冷え込みは、何ものにもかえがたい財産でした。
しかし、中仙蔵の泰然とした時の歩みも、業界や社会環境の急速な変化には抗しがたく、賃貸契約の終了を機にその短い歴史の幕を閉じたのです。
2005年秋。
本社蔵の中に一つの小さな蔵が復活しました。
その名は「酒造道場仙人蔵(さけどうじょう せんにんぐら)」。
中仙蔵で活躍した蔵人の技を継承し、次の時代に伝える思いをこめて中仙人(なかせんびと)から「中」の字をとり「仙人蔵」として蘇りました。
今ある酒に磨きをかけるために。
蔵人が心身ともに研 鑽を重ね、秋田の伝統の酒造りをより深く知るために。
そして未来に続く「新たな伝統」の醸成のために。
高清水の時を超える願いを、この蔵にこめました。
仙人蔵の再生は、中仙蔵での酒造りがなくては実現しなかったと言っても過言ではありません。
中仙蔵の裏手にある長野神社に、顕彰碑が建立されている星野友七翁は、幕末から明治にかけて秋田の酒造技術の礎を築いた人物であり、中仙蔵のあった中仙町長野を、酒造りの伝承のための土地に選び、そこで多くの師弟を育てあげた人物です。
後にその師弟たちは、「長野杜氏」とよばれる杜氏集団にまで発展しました。
このような土地で培った手造りの技を、本社へ移し、さらに後世へと伝承させる「酒造り道場」の役割を仙人蔵に託したのです。
厳寒の冬、ここで蔵人たちは、今では希少な昔ながらの道具を使い、伝統の秋田流寒造りを体得しています。
日本の物づくりを継承する手造り蔵として、お客様に満足と安心を伝える象徴的な蔵である「仙人蔵」は、見学することが可能です。
高清水の歴史を現代に伝える手造りの蔵には、古い柱や梁が当時そのまま残されており、先人たちが遺してくれた酒造りの心と伝統を感じることができるでしょう。
お客様に見える酒蔵を通して、酒造りにかける高清水の想いと蔵人の熱意をぜひ感じてください。
お申し込み方法: 事前に電話、メールまたはお問合せフォームにてお申し込み下さい。
電話番号: 018-864-7331(電話受付時間:9:00~17:00<月~金>)
メールアドレス: inquiry@takashimizu.co.jp
見学時間: 9:00~11:00 / 13:00~16:00(土・日・祝は休み)
見学場所: 秋田酒類製造株式会社 本社蔵
秋田市川元むつみ町4番12号
https://www.takashimizu.co.jp/sennin/index.html
画像出典:写真は高清水ホームページより
秋田流寒仕込みにこだわった酒造り
酒造りは伝統的な製法である秋田流寒仕込み。
この仕込み方法は秋田の気候風土を生かし、冬の最も寒い時期にじっくり長期低温発酵させる醸造方法です。
冬の到来とともに始められ、最も寒い時期に最盛期を迎えます。
寒冷降雪期にあたるこの時期の気候は、雪により空気は綺麗に浄化されます。
その雪に埋もれた酒造りは、酒造りに最適な室温を保つことで、非常においしいお酒を醸し出すことができるのです。
また麹を多く使用した酒造りを行うことで、きめ細かい風味の中にしっかりとした味わいを持つ酒を造りあげています。
醸造した酒は低温貯蔵庫でしっかりと熟成させ、瓶詰めされた後は冷瓶機で温度を下げることにより品質を保つ工夫がなされています。
高清水の由来
代表銘柄である「高清水」は、秋田市寺内大小路に湧く霊泉「高清水」に由来しています。
霊泉「高清水」のある高清水の岡は、日本最北端の城郭として威勢を示した秋田城があった秋田市寺内地区にあります。
7世紀中頃、現在の北陸地方である越国の将軍阿部比羅夫がこの地に「越王」を祀ったところ、突然湧き出したと言われています。
かつては周囲の清流にサンショウウオが生息するほど澄んだ水だったそうで、周囲の環境が変わった今も、静かにこんこんと湧き出ています。
ちなみにこの名前は酒蔵が懸賞公募し、5037点の応募の中から選ばれました。
秋田酒類製造株式会社
秋田県秋田市市川元むつみ町4-12
[mappress mapid=”56″]
おすすめの日本酒
一推しの「高清水 純米大吟醸」は、秋田県産の酒造好適米「秋田酒こまち」を45パーセントまで磨き、秋田流寒仕込みで醸した酒。
飲み口は非常に軽く、ふくよかな香りとのバランスも良いです。
一口飲むと程よい酸味と上品なうま味が口の中で柔らかに広がり、とても飲みやすく日本酒の良さもしっかり味わうことができます。
コストパフォーマンスも非常に良く、日本酒初心者でも手に届きやすい価格です。
日本酒Data
銘柄: 高清水 純米大吟醸
特定名称: 純米大吟醸酒
使用米: 秋田酒こまち
精米歩合: 45パーセント
日本酒度: +1
酸度: 1.3
アルコール度数: 15.5度
香り 弱・・・★・強
コク 薄・★・・・濃
キレ 弱・・・★・強
味わい 甘口・・★・・辛口
美味しい飲み方
冷やしても良いですが、常温だと香りも立ち旨みも出てきます。
ハタハタの一夜干し、ホタテの殻焼き、カレイの唐上げなど、焼き魚や魚介のグリルとの相性が抜群に良く、いくら飲んでも飽きがこないので、食中酒としてもおすすめです。
その他おすすめの酒
蔵元最高級 高清水 しずく採り 大吟醸 瑞兆
最高級の山田錦を35%精米した香り重視の大吟醸です。
もろみの入った酒袋をつり下げ、染み出てくる雫を一滴ずつ集めたこだわりのしずく酒。
圧をかけないため量が取れず、貴重なお酒となっています。
フグの白子やあわびの酒蒸し、魚介のグラタンなど、上品な海の幸やクリーミーで濃厚な素材の味がある料理に合います。
フルーティで甘くいですが、後味はスッキリとしており、飲めば飲むほどおいしさを感じるお酒です。
高清水【たかしみず】~麹を多用し手間隙かけて造り上げる秋田流寒仕込み~ まとめ
日本酒初心者にも飲みやすい味わいと、抜群のコストパフォーマンスを持つ高清水。
裾野部分の日本酒ファンに愛される究極の普通酒を、あなたもぜひ味わってみませんか。