「越の誉」を醸す原酒造株式会社は、新潟の米と縁の深い蔵元です。
米に対するこだわりは、地元の農家との契約栽培米を用いて、自社精米をするほど。
五穀豊穣の神として信仰を集める米山の伏流水を仕込み水としている点も、酒と米との強い縁が感じられます。
原酒造株式会社
原酒造株式会社には、文化11年(1814)の創業以来、数々の困難を乗り越えてきた歴史があります。
明治44年に柏原の大火に蔵が包まれ、2007年に中越沖地震で蔵が崩壊。
それでも、約200年の永きにわたって酒を醸し続けてきた蔵元です。
現在の原酒造は、中越沖地震後に建てられた新蔵の和醸蔵や、直売所の酒彩館といった施設と共に酒造りを行っています。
しかし、建物は一新されても、伝統の技と志は忘れられてはいません。
「越後の誉となる酒」「人々を幸せにする酒」を仕込むために、新潟県産の米にこだわり、地元の契約栽培米を使用しています。
越の誉オリジナルの酒米も栽培されていて、大吟醸の醸造に適した越神楽、高い精米耐性を持つ楽風舞といった品種が見られます。
品質の高い新潟の酒米は、全量自社精米され、名峰米山の伏流水で仕込まれていきます。
雪解け水から生まれる軟水は、酒になめらかな味わいを与えます。
出来上がった酒は、全国新酒鑑評会の金賞受賞回数も多く、総じて評価が高いことが特徴です。
1972年の日中国交正常化の記念晩餐会においては、当時の内閣総理大臣であった田中角栄によって乾杯酒に選ばれました。
その年の新米から一番に搾られた酒を振る舞う「新酒まつり」は、3000人以上の人出で賑わうほど。
「越の誉」の愛されぶりが伺える、秋恒例のイベントとなっています。
原酒造株式会社
新潟県柏崎市新橋5-12
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酒蔵見学
原酒造では、平成20年に建設された新蔵「和醸蔵」の見学が可能です。
直径1.3メートルの巨大杉玉に出迎えられた後、内部での酒造りの工程を解説付きで案内してもらえます。
試飲コーナーもあり、大吟醸を始めとした、各種日本酒を飲み比べることも可能です。
お気に入りの酒を発見したら、直売所である「酒彩館」で購入しましょう。
越の誉全種が取り揃えられているほか、酒彩館以外では買えない限定酒など、ラインナップが豊富です。
また、中庭まで足を伸ばすと、柏原の地形を模した日本庭園が目を楽しませてくれます。
料金: 見学・試飲とともに無料
予約: 希望日前日までに要予約
定休日: 年末年始(不定休)
酒蔵見学を希望する方は、以下の連絡先で、問い合わせや予約を行なうことができます。
原酒造直売店 酒彩館(受付時間 9:00~17:00)
TEL: 0257-23-3831
FAX: 0257-23-3832
おすすめの日本酒
定番の一本は、「越の誉 特別純米 彩」です。
新潟県上越地区の契約農家が栽培している「たかね錦」を酒米として、じっくりと醸した一本。
「たかね錦」は旨味が濃醇なため、出来上がる酒も濃厚な味わいになるという特徴があります。
ギュッと濃い旨味を舌の上でころがして堪能できますが、さらりとした印象の後味が続くためか、飲み飽きることがありません。
日本酒Data
銘柄: 越の誉 特別純米 彩
特定名称: 特別純米酒
使用米: たかね錦
精米歩合: 麹米50%、掛米60%
日本酒度: +3.0
酸度: 1.5
アルコール度数: 15度
香り 弱・・・★・強
コク 薄・・★・・濃
キレ 弱・・・★・強
味わい 甘口・・★・・辛口
美味しい飲み方
季節に応じて飲み方を変えてみましょう。
夏は冷やですっきりと、冬はぬる燗でじっくりと味わってみてください。
濃厚な旨味を持つ酒なので、淡白な一品と合わせるのがおすすめです。
鯛の刺身や、のどぐろの塩焼きなど、白身魚を使った料理は酒の持つ米の風味を高めます。
まろやかな卵豆腐のような一品も、「越の誉」を楽しむのにもってこいの味わいです。
その他おすすめの酒
辛口好みの方には、キレが絶品な「越の誉 辛口純米 彩(純米酒)」がおすすめです。
酒米は、もちろん新潟県産。
五百万石を65%まで自家精米で磨いています。
冷やで飲むと引き締まった辛口が、燗をつけると奥深い味わいが魅力的な一本です。
蔵元最高級
日中国交正常化の乾杯酒となった「越の誉 秘蔵酒 もろはく(純米大吟醸酒)」は、8年間の熟成を経て世に出る一本です。
もはや芸術品と言っても過言ではない、上品でなめらかな味わいの虜となる可能性があります。
酒米には、越の誉オリジナルの越神楽を使用。
越の誉【こしのほまれ】~新潟県産の米にこだわって醸す辛口の酒~ まとめ
飲むと幸せの余韻に浸れる酒、それが「越の誉」です。
幾多の困難を乗り越え、地元産の米にこだわる原酒造ならではの、秘められた力なのかもしれません。