美味しい手造りの酒を醸すために、新しい技術を積極的に取り入れるのは、銘酒「菊姫」を醸す菊姫合資会社。
安土桃山時代から続く由緒ある酒蔵は、時代が移り変わっても、酒造りに挑戦する姿に変わりがありません。
妥協せず、流行に流されない酒を醸し続けます。
菊姫合資会社
天正年間(16世紀)創業という「菊姫」の蔵元は、安土桃山時代に、「小柳屋」の屋号で酒造りを始めました。
菊姫合資会社と改名されたのは、昭和初期に入ってからのことです。
石川県に位置する白山連峰の麓で、400年以上にわたって、旨い酒造りにこだわり続けてきました。
時代が移っても変わることのない姿勢は、昭和43年の吟醸酒の発売や、昭和58年の山廃仕込純米酒の発売などから窺うことができます。
吟醸酒が一般的ではなかった時代に発売にこぎつけ、山廃酵母がすたれていた時代に復活させるなど、美味しいと信じた酒を醸してきました。
酒造りで注力してきたことは、米の旨味を生かすことと、日本酒ならではの個性を大切にすることです。
そのため、原料選びは、他に類を見ないものとなっています。
山田錦発祥の地である兵庫県吉川町に、兵庫県以外の酒蔵で「村米」という契約栽培地域を有しているのは、「菊姫」だけです。
酒造りの工程においては、熟成によって酒の美味しさが増すという考えから、その期間に重きをおいています。
10年後の熟成にも対応できるよう、他の蔵と比べても、広大な貯酒場を確保しているほどです。
充分な熟成を経て出来上がった原酒は、複数をブレンドさせることで、より深みのある味わいの酒へと仕上がっていきます。
また、色抜きの工程も控えめであるため、ほんのり黄金色がかった色味が、美しく保たれています。
どの時代でも、味わい・色味を始めとした酒本来の個性を引き出し、銘酒「菊姫」は醸されています。
菊姫合資会社
石川県白山市鶴来新町タ8
[mappress mapid=”100″]
おすすめの日本酒
今でこそ有名になった、イギリスの世界最大級の酒類品評会IWCですが、初代チャンピオン・サケに輝いたのが「菊姫 鶴乃里(純米酒)」となります。
山廃仕込みの純米酒の実力を、世界に知らしめた酒とも言えるでしょう。
どっしりと力強い旨味は、山廃ならではの味わい。
気品が感じられる繊細さも併せ持っています。
日本酒Data
銘柄: 菊姫 鶴乃里
特定名称: 純米酒
使用米: 山田錦
精米歩合: 65パーセント
日本酒度: -1.0
酸度: 2.0
アルコール度数: 16.3度
香り 弱・・★・・強
コク 薄・・・★・濃
キレ 弱・・・★・強
味わい 甘口・・★・・辛口
美味しい飲み方
冷やして、常温で、ぬる燗で。
どの段階でいただいても、「菊姫 鶴の里」の力強さが損なわれることはありません。
山廃の酸味が特徴的なため、脂がのった肉料理に合わせると、最高に美味しくなります。
鴨肉を煮込んで作る、加賀の郷土料理「治部煮(じぶに)」と一緒に飲んでみましょう。
お互いに味を引き立て合っていきます。
その他おすすめの酒
まだ吟醸酒が一般的ではなかった時代に、全国の吟醸酒の先駆けとなったのが、こちら「菊姫 大吟醸(吟醸酒)」。
丁寧に仕込まれた熟成酒独特の香りとまろやかな風味で、昭和43年の発売から、ファンを虜にしてきた一本です。
蔵元最高級
「菊理媛(吟醸酒)」は、白山比咩神社の御祭神である菊理媛命(くくりひめのみこと)の名を戴く、蔵元最高級の酒です。
厳選された極上の吟醸酒を、貯酒場で寝かせること10年。
蔵元に「歳月を呑む酒」と言わしめる味わいを実現しています。
菊姫【きくひめ】~時代に関係なく美味しいと思った酒を造る~ まとめ
本当に美味しい酒造りを模索し、進化を続ける銘酒「菊姫」の蔵元。
新たに生まれる一本が待ち遠しい酒蔵です。
時代に迎合しない美味しさを求める方に、おすすめします。