黒龍酒造の新ブランド「無二」が登場し、酒造業界に話題を呼んでいます。
その話題とはズバリ値段です。
通常の高級日本酒の数十倍という値段にも関わらず予約が殺到しているのですが、なぜこのような高値になったのでしょう。
氷温熟成酒 「無二」
黒龍酒造は福井県を代表する酒蔵ですが、値段が高くても飲む人を納得させるブランド作りを進めてきました。
その結果、誕生したのが氷温熟成酒「無二」と呼ばれる新ブランドです。
黒龍が「ふたつとない、季(とき)をかさねて」というキャッチコピーを打ち立てて、2012~2015年に山田錦を35パーセントまで磨いて醸された最高級の純米吟醸酒を氷温熟成させたものです。
黒龍酒造についてはこちらの記事を参考
⇒ 黒龍【こくりゅう】 ~全国に先駆けて発売したこだわりの吟醸酒~
「無二」 入札会
当初、想定していた販売数は1500本。
これを入札会と称するイベントを都内西麻布のレストランで行うといった形式で販売されることとなりました。
招集されたのは黒龍酒造特約店のうち66店のバイヤーたちです。
通常は酒蔵により小売価格が設定されますが、今回は入札会です。
従来と違い、実際販売する特約店が値段をつけて落札する仕組みです。
入札方法は黒龍酒造があらかじめ設定した3段階の金額と落札するケース数の上限を入札用紙に記入します。
1ケースは6本入り。
1段階目、2段階目、3段階目と値段が上がっていくシステムです。
無二の販売数は1500本と想定していましたので、これを下回った場合はその値段で落札されます。
もし、希望本数が上回った場合は2段階目の値段、さらに上回った場合は3段階目の値段となります。
3段階目でも希望本数が上回った場合は、金額と希望ケース数を再設定し、改めて入札が行われます。
さて、全員が投票後に集計した結果、希望本数は想定されていた1500本を遥かに上回り2800本。
具体的な落札金額は公表されていませんが、黒龍酒造の最高級酒である「石田屋」は720ml瓶で約1万円、これを数十倍も上回る値段で落札されたそうです。
ワインと肩を並べる
ワイン業界では入札会が行われますが、日本酒業界では異例のことです。
日本酒はワインのようにもっと評価されるべきだと決定付けた入札会だったといえるでしょう。
一般には9月20日頃から販売される予定だそうで、ネット通販でも予約を受け付けていますので探してみるのもいいでしょう。
無二にはシリアルナンバーが記された証明書が添付されているので偽物をつかまされることもないでしょう。
黒龍酒造代表取締役社長の水野直人氏は「日本酒が世界に認められるようになってきましたが、ワインのように世界的なお酒になれると考えています。」と言っておられます。
「ワインと肩を並べたい」この想いが世界の人々に伝わる日は近づいているのかもしれません。