大吟醸の市販化は難しい。
この常識に立ち向かい、全国に先駆けて大吟醸を市販化したのは、黒龍酒造株式会社。
高品質かつ日本一高価と注目を集めました。
技の粋を込めて醸される、代表銘柄「黒龍」は、幅広い世代に愛される一本です。
黒龍酒造株式会社
文化元年(1804)に酒造りを始めた、黒龍酒造株式会社。
良水に恵まれた福井県松岡の地は、藩が酒造りを奨励するほどでした。
創業以来、手造りにこだわり、現代にまで受け継がれています。
全国に先駆けて大吟醸の市販化に成功したのは、7代目蔵元の時代。
ドイツやフランスを訪ね、ワイン同様、少量仕込みで高品質の酒造りを目指したことがきっかけでした。
霊峰白山山系の雪解け水は、福井県最大の河川である九頭竜川に流れ込み、黒龍酒造の仕込み水として使用されます。
銘柄「黒龍」の由来は、かつて九頭竜川が「黒龍川(くつれうがわ)」の古名で呼ばれていたことに関係しています。
原料米にもこだわり、最高の酒造好適米のみを選んでいます。
兵庫県産東条地区特Aランク産の山田錦はもちろんのこと、福井県大野産の五百万石といった豪華なラインナップです。
特に山田錦に関しては、「フロンティア東条21」という、全国11の蔵元と結成したグループがあるほど。
東条の酒米の素晴らしさや、生産農家の技術力などを発信することを目的としています。
また、吟醸酒の普及を目指して、さまざまなイベントにも取り組んでいます。
親しみやすい「黒龍」を提供するべく、燗専用大吟醸酒の発売や「燗たのし」といった酒燗具の開発など、バリエーション豊かな活動に注目です。
黒龍酒造株式会社
福井県吉田郡永平寺町松岡春日1-38
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おすすめの日本酒
日本で初めて市販化された大吟醸酒を知りたいのであれば、「黒龍 大吟醸 龍」をおすすめします。
7代目蔵元が販売に成功した、ロングセラーの一本。
山田錦を使用した、「黒龍」の代表酒です。
ワインの熟成法を応用したと言われるだけあって、果実を思わせる上品な香りと風格のある味わいに圧倒されてしまいます。
日本酒Data
銘柄: 黒龍 大吟醸 龍
特定名称: 大吟醸酒
使用米: 兵庫県産山田錦
精米歩合: 40パーセント
日本酒度: +5.0
酸度: 1.0
アルコール度数: 15度
香り 弱・・・★・強
コク 薄・★・・・濃
キレ 弱・・・★・強
味わい 甘口・・★・・辛口
美味しい飲み方
冷やして飲むと美味しい大吟醸酒となっています。
花冷え(10℃)あたりで香りと風味を堪能してください。
とっておきの「黒龍」には、九頭竜川の魚を合わせたいものです。
清らかな流れを泳ぐ、鮎やサクラマスとの相性は抜群です。
炭火でじっくり焼いた塩焼きに、大吟醸酒を一口。
引き立つ風味に酔いしれましょう。
その他おすすめの酒
「黒龍 純吟(純米吟醸酒)」もおすすめ。
こちらは、精米歩合55%の五百万石で醸しています。
米の旨味と、爽やかな飲みくちが魅力的です。
含むと、幾重もの香りと味わいの層が駆け抜けていきます。
蔵元最高級
黒龍酒造の屋号を冠する「黒龍 石田屋(純米大吟醸酒)」は、一度は飲んでおきたい高級酒。
仕込み量が限定されているため、希少な逸品です。
低温で長期熟成することで、気品のある香りと、まろやかさが生まれました。
豊潤なのにするりと飲めます。
黒龍【こくりゅう】~全国に先駆けて発売したこだわりの吟醸酒~ まとめ
日本の大吟醸酒の道を切り開いた黒龍酒造。
全国指折りの吟醸蔵と讃えられても満足することなく、高品質の「黒龍」を追求し続ける蔵元です。