栃木県宇都宮市の市街地に蔵を構える株式会社虎屋本店。
天明8年に日光街道筋に誕生したこの酒蔵は、飲み手に寄り添える日本酒を目指し、日々丁寧に酒を醸しています。
仕込み水として使用されるのは、宇都宮七水の一つにも数えられた銘水、「虹の井」の水です。
株式会社虎屋本店
株式会社虎屋本店は、天明8年(1788)に創業しました。
かつては多くの造り酒屋が集まる地域に誕生した蔵でしたが、現在では、宇都宮の日光街道に現存する唯一のものです。
虎屋本店の蔵が建つ場所は、現在は市街地の真ん中となっています。
ここは、昔から宇都宮七水という上質な水源を持つ土地でした。
初代が、この銘水の一つ「虹の井」を使って酒造りを始め、現在に至ります。
初代は近江の国の出身だったため、滋賀を発祥とする酒蔵「江州店(ごうしゅうだな)」の一つとされています。
現在は、栃木県で普及した「下野杜氏」の資格を持つ天満屋徳杜氏の手によって、すみずみまで心を配った丁寧な酒造りが行われています。
大量生産では難しい、飲み手に寄り添った一本は、みずみずしくもきめ細かい味わいです。
その実績は、平成以降の全国新酒鑑評会で金賞を受賞すること7回、栃木県清酒鑑評会においても県知事賞一位に輝いています。
2017年ではIWC(インターナショナルワインチャレンジ)の純米大吟醸の部においてリージョナルトロフィーを受賞しました。
蔵を代表する「菊」の銘柄は、夏目漱石が詠んだ酒句を由来としています。
松山時代から幾度となく酒に関する句を詠んでいましたが、そのなかにたびたび登場した「菊」にあやかったものです。
株式会社虎屋本店
栃木県宇都宮市本町4-12
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おすすめの日本酒
虎屋本店を代表するのは「菊 大吟醸」です。
2016年に栃木県清酒鑑評会で一位の他、数々の賞を受賞した実力のある酒です。
杉の小箱を使用しての麹造り、醪の長期低温発酵と、杜氏が技術の全てを込めて醸しました。
原酒の持つ深みのあるコクの味わいと、鼻孔をくすぐる華やかな香りは、飲んでいるだけでも心がやわらいでいくようです。
日本酒Data
銘柄: 菊 大吟醸
特定名称: 大吟醸酒
使用米: 山田錦
精米歩合: 40パーセント
日本酒度: +2.0
酸度: 1.2
アルコール度数: 18.1度
香り 弱・・・★・強
コク 薄・・・★・濃
キレ 弱・・★・・強
味わい 甘口・・★・・辛口
美味しい飲み方
雪冷えから涼冷えあたりの温度帯(5℃~15℃)でいただくと、香りを損なうことなく、ほのかな甘味とコクが堪能できます。
合わせたい料理は、やさしい味わいの食材を使用したものです。
旬の野菜や刺身を、日光の湯波で巻き込んで、一献楽しんでみてください。
一緒に頂くことで酒の香りを引き立てます。
思わず飲む手が止まらなくなるかもしれません。
その他おすすめの酒
虎屋本店のもう一つのおすすめは、栃木県で栽培された五百万石のみで醸した「菊 純米酒(純米酒)」です。
引き出された米の旨味は、すっきりとキレが良い風味を楽しませてくれます。
冷やでキュッと一杯いただくか、ぬる燗でじっくり味わうと良いでしょう。
菊【きく】~大工場ではできない丁寧な酒造り~ まとめ
虎屋本店は、すっきり飲みやすく味のある酒を目指しています。
丁寧に醸し、すっきりと飽きない味で日常に寄り添い、華やかな香りの上品な一本は特別な一日に寄り添います。