佐々木酒造をご存じだろうか。
京都洛中に現存する唯一の酒蔵ですが、ご存知ない方もいるでしょう。
しかし、佐々木蔵之介といえばどうでしょう。
テレビドラマや映画で活躍する佐々木蔵之介は実力派人気俳優として知られていますが、この佐々木蔵之介の実家は京都洛中。
そう、佐々木酒造は佐々木蔵之介の実家でもあるのです。
今回、佐々木蔵之介さんのファンの方からのお誘いで佐々木酒造のイベントへ行ってきました。
このイベントは佐々木酒造と書動家・俵越山によるコラボ企画で、酒蔵の一部を居酒屋にしてしまう「蔵酒場 佐々俵」というもの。
佐々木酒造の日本酒を飲みながらイベントを楽しませていただきました。
佐々木酒造株式会社
創業は明治26(1893)年。
京都でも良質の地下水に恵まれた聚楽第。
千利休が茶の湯にも使用したと伝わる銀明水を仕込み水とし、初代佐々木次郎吉が創業してから濾過や脱色などの処理を控え、全ての酒を京都洛中伝統の造り方で醸しています。
京都の酒造組合といえば伏見酒造組合が有名ですが、京都市内でも伏見を除いた佐々木酒造、羽田酒造、松井酒造の3社で構成される京都酒造組合に所属しています。
また、京都酒造組合の中でも洛中に現存する酒蔵は佐々木酒造ただひとつとなってしまったことも特筆すべき点といえます。
京都洛中とは、平安時代における平安京の京域内(旧市内)のことで、洛陽と呼んだことから、この京域内を洛中としました。
創業当時には131軒の蔵元が軒を並べた洛中ですが、現在はただ1件のみ。
つまり、洛中とは平安京内の酒蔵、佐々木酒造はそこに現存する唯一の酒蔵という貴重な酒蔵でもあるのです。
佐々木酒造株式会社
京都府京都市上京区日暮通椹木町下ル北伊勢屋町727
蔵元・佐々木晃
現在の蔵元・佐々木晃氏は3代目・佐々木勝也氏の男3人兄弟の末っ子として生まれました。
大学では中国文学を学んだという佐々木晃氏はまさか末っ子の自分が酒蔵を継ぐことになるとは思わなかったといいます。
父・佐々木勝也氏の長男は建築家を目指し、「飲んで無くなってしまうものを造るのはいやだ」といって酒蔵を継ぐ様子はありません。
次に次男ですが、神戸大学の農学部で酒米の研究などの道へ進み、後を継ぐと思いきや、突然「俳優になる」と言って出て行ってしまったそうです。
この次男が今をときめく実力派俳優・佐々木蔵之介さんです。
そして末っ子の佐々木晃氏は、最初は嫌々酒蔵を継ぎ、4代目蔵元となったといいます。
最初は嫌々だったとはいえ、水の恵み、自然の恵み、そして蔵を支えてくれる方々を想い、なんとか佐々木酒造を残していきたいと日々励むことで酒造りが楽しくなったそうです。
佐々木酒造は、伏見の大手酒造とは違って小規模な酒蔵ですが、この酒を愛してくださる皆様の期待に添えるよう頑張っておられます。
蔵酒場 佐々俵
さて、佐々木蔵之介さんの弟でもある蔵元・佐々木晃氏、世界中で活躍する書動家・俵越山らによるコラボ企画「蔵酒場 佐々俵」と題して佐々木酒造愛飲家たちを集めて開催する一夜限りの夏祭りです。
場所はもちろん佐々木酒造。
毎年趣向を凝らし、今年4年目の開催となったイベントです。
昼の部と夜の部がありますが、私たちが参加させていただいたのは夜の部です。
会場へ入場すると佐々俵特製ぐい呑みと手ぬぐいがもらえます。
この特製ぐい呑みをもっていくと色々な日本酒が飲み放題というものです。
呑める酒は聚楽第純米吟醸、夏方(ナツザマ)、古都大吟醸(原酒・おりがらみ)、平安四神ブルー、古都大吟醸、西陣特別純米などの佐々木酒造の夏を代表する日本酒たち。
さらにプレミアムチケットが一枚付いており、このチケットで聚楽第純米大吟醸をいただくことができます。
もちろん、酒が得意ではない方にも楽しんでいただけるよう、ノンアルコールの甘酒「白い銀明水」や各種ソフトドリンクも用意されていました。
佐々木晃氏と俵越山氏による乾杯からこのイベントはスタートします。
蔵人の方に法被をお借りして写真撮影。
佐々俵では馬場商店のウナギの蒲焼やツマミもあり、ちょっと飲みすぎてしまいましたが、俵越山先生の書動の披露やラジオイベントなどもあり、大変なにぎわいでした。
佐々木酒造のみなさま、また同席したみなさま、美味しいお酒に楽しいお話、ありがとうございました。