ダイエットするときはよく、お酒を控えるようにと言われます。
そのためか、お酒は太るものだと思われがちです。
お酒のカロリーは、含有されているアルコール分に比例するので、度数の高いものほどカロリーは高くなります。
例えば、100mlあたりの平均的なカロリーで比較すると、赤ワイン(アルコール度数12%)ではおよそ70キロカロリー、ビール(アルコール度数5%)ではおよそ42キロカロリー、日本酒(アルコール度数15%)ではおよそ105キロカロリーとなり、アルコール1mlあたりのカロリーはどのお酒であっても6~8キロカロリーになります。
日本酒はお米からできているから太ると思うかもしれませんが、原材料による差はそれほどありません。
お酒を飲むと、これらのカロリーを摂取することになり、太ってしまうというわけですが、本当のところはちょっと違います。
お酒のカロリーというのはそのほとんどが含有されているアルコール分によるものです。
アルコール分がもとになるカロリーは「エンプティカロリー」とも呼ばれ、そのほとんどは体に蓄積されることはなく、すぐにエネルギーに変換され熱として消費されます。
つまり、基本的に脂肪分として蓄えられるものではないということです。
ではどうしてお酒を飲むと実際には太ってしまうのでしょうか。
実は、お酒と一緒に食べる肴やおつまみが原因です。
アルコール分がもとになるエンプティカロリーは、消費効率が良いため優先的に消費されます。
その結果として、必要なカロリーはすべてお酒で賄われてしまい、肴やおつまみで食べたもののカロリーは利用されることなく脂肪分へと変換され、体にたまってゆくのです。
したがって、特に高カロリーのものを食べた場合には、その分だけ確実に脂肪になってしまうというわけです。
加えて、お酒には食欲を促進させる働きがあります。
飲んでいるとついつい食べ過ぎてしまうということはよくあるものです。
これが、お酒で太る原因です。
健康的にお酒を飲むコツは、総合的なカロリーと栄養バランスに注意を払うことです。
たんぱく質、脂肪、炭水化物の摂取量の比率が極端に変化しないよう、肴やおつまみにはちょっと気を使うとよいでしょう。
日本酒の優れた点
こうしたことを考慮すると、日本酒はなかなか理想的です。
日本酒の肴といえば、お刺身、焼き魚、焼き鳥、豆腐、納豆、おひたしなど、和食が中心になり栄養バランスがとりやすくなるためです。
また揚げ物を除けば、総じて和食はカロリーが低めです。
夏にはざるそばとお冷でくいっと一杯。
冬はお鍋やおでんに熱燗できゅっと一杯。
どんな季節にも日本酒はマッチします。
おいしく健康的に、お酒を楽しみましょう。